エベレストへ 後編
激しい頭痛で眠れないまま トレッキング三日目の朝を迎えました

結局歩かなどうにもならんということで 頭痛と共にゆっくりペースで街を散歩

午前中は階段を数段あがるだけで息をきらしていたものの

午後にはある程度回復し 少し標高の高い場所にも登れるようになっていました

実際 多くのトレッカーはナムチェバザールで二泊して

しっかり高度順応してから次の村へ向かうのですが

こんな調子の僕はこの街で三泊してから 次の集落「タンボチェ」へ向かいました






この日以降は比較的体調も良くなり 頭痛もほとんどなくなりました

ナムチェでの失敗を機にゆっくりゆっくり歩くことを心掛け

次の集落に到着してからは高度順応の為宿の外を歩き回りました

タンボチェ以降も比較的好天に恵まれ 気持ちよく歩くことができたのも幸いでした


 













僕らが目指すエベレストベースキャンプは標高5350mの地点にあります

5000mの集落ロブチェに到着したのは8日目のお昼過ぎ

ナムチェ以降 順調に進んできたトレッキング

しかしこのロブチェに到着した時点で また少し体に違和感を感じていました



9日目の早朝 まだ薄暗い中 エベレストベースキャンプに向け出発

好天が続くのは大体午前中までで 午後からはゆっくり雲が広がる

それがこの数日間の天気の傾向のようでした

ベースキャンプまではゆっくり歩いて6時間程度かかります

ルート上にある最後の集落ゴラクシェプで軽い休憩をはさむことを考え

出発は朝の4時半にしました



当日 起きてすぐカーテンを開けて外を確認するも空一面雲に覆われた悪天候

こんな大事な日に限って曇り?

テンション低めで出発するも日が昇っていくにつれ天気はみるみる良くなっていく

本当に有り難い 空に感謝




果てしなく続く岩場を越えて 崖に近い坂を上り ゆっくりゴラクシェプへ近づいていく

あるポイントで 水の流れる音が聞こえてきた

岩場を越えるとそこには小さな滝が流れていた

滝の始まるポイントに少し大きめの石が並んでいる

どうやらこの石の上を通って先に進まなければならないらしい

滑って右側の滝壺に落ちたらしゃれにならない

いやいや 橋かなんか架けんとまじ死人でるバイ

慎重に慎重に渡るもあっさり足を滑らせる僕

何とか左側に倒れこむも左足完全に水没

いやまじで死ぬ



ちなみにこのような強者もここを通るようです

一日一人くらいは滝壺落ちてそう



自分は完璧にバランス崩しながらも 後から渡る嫁さんのことも死ぬ程心配

そんな心配をよそにアヤカはなんなく渡り切る

標高高くて結構寒いのに濡れちゃった 歩く度に靴がじゅぽじゅぽいってる

しかしながら結局どうしようもないのでそのまま歩き続け 7時半にゴラクシェプへ到着

宿にチェックインしてから軽めの朝食をとり エベレストベースキャンプへ向かう

ここから更に約2時間半の道のり






空は快晴を保っている

周りには7,8000m級の山々

実はこの時点ですでにかなり激しい頭痛と闘いながらのトレッキング

ここで戻る訳にはいかないと ゆっくりゆっくり先へ進む






この高度になると酸素は平地の二分の一

まだまだ元気なトレッカーもいれば 高山病で死にそうになってるトレッカーもいる

僕は明らかに後者だったのですが 頭痛については嫁さんには秘密にしながら歩き続けました




正直言って このあたりの時間帯 僕の記憶は少し曖昧です

ただベースキャンプに辿り着いた時はそれまで感じていた頭痛のことをほとんど忘れ

周りの風景に圧倒されたのは覚えています

宿までの帰り道はあっという間だったように思います

激しい頭痛が頭の中で何か別のものに変わっていってるような感覚でした

岩場を越えて 長く続く砂地の向こう側に宿が見えてきました

その瞬間に気が緩んだのか 体中の力が全て抜けてしまい 僕はほとんど歩けなくなりました

本当にゆっくり ゆっくりと歩きながら ゆっくり宿に近づいていく

空は広く とても青く それまで経験したことのないような空間に 嫁さんと二人

そんな空間で僕はほとんど死にかけてる

そんな状況を客観的に見つめていると 不意に笑いが込み上げてきました

ただ声はでませんでした

僕の中身はほとんど空っぽで そんな力はありませんでした 

表情だけが 力無く笑っていました

涙が出てきました

涙をこらえる力もなく 僕は泣きながら笑っていました

こんなとこで何やってんだろう

早く横になりたいな

こんな足取りで あとどれくらいで宿に着くんだろう

泣きながら 笑いながら そんなことを考えていました





















2013/5/26 @Everest base camp





実はこの日以降、僕らにはかなりたくさんの物語がありました

下山できたのは14日目の朝です

下山した時はもう山は懲り懲り と思っていた僕たちですが

最近は「次はキリマンジャロかな」なんて話してたりします

高山病にもかからずにあっさり登れていたら また感じ方は違っていたかもしれません

きつい思いをして辿り着いたからこそ

そこでしか感じることのできないものがあるように思います

ま、きっとそれは何にでも当てはまるのだろうけど


エベレストへ 中編
トレッキング二日目 朝六時起床

昨日感じていた軽い頭痛はどっかへ飛んでいった

体調はおそらく完璧

カーテンを開けると青空が広がる

朝食にネパール風パンケーキとチャイをいただき

本日の目的地 ナムチェバザール を目指します






昨日とは打って変わっての好天

昨日は曇り空の下 ただ目的地まで「歩く」だけのトレッキング

快晴の下だと 景色を楽しみ 鳥のさえずりを聞き 楽しく歩きながらのトレッキング

当たり前の話ですが「天気次第」なところが多くを占めるトレッキング

ヤク(牛の仲間)も快調です




ナムチェバザールは標高3400m 高度の割に規模は広く

僕らが通るルートでは最後の「街」と呼べる場所かもしれません

手前には標高差約600mの急な上り坂

実はここらでアヤカのお腹の調子が悪くなり(恐らく昨夜食べたダルバート)

途中休憩をいれながらナムチェバザールへ

それでも予定より早く お昼前に到着

実はこの「予定よりも早く」ってのが後々大変な事態を招こうとは

この時は考えも及びませんでした






ナムチェの宿にチェックイン後 アヤカは体調不良の為ベッドへ

どこか体に軽く違和感を感じつつ 僕も横になりました


高山病の予防法その1「高度の高い場所では昼寝をしてはいけない」


正直このことを忘れていた訳ではないし

かといってそのことを100%信じきっていた訳でもない

頭の片隅にその言葉を抱えながらも 気がつくと僕は眠っていました

数時間後、激しい頭痛と共に目が覚める

立ち上がると更に激しい頭痛が襲ってくる


高山病の予防法その2「多めに水を飲み街を歩いてゆっくり高度順応する」


とりあえず街を歩こうと試みるも 少し歩くだけで息が切れる

階段を三段あがれば 激しく息が切れ 激しい頭痛が襲ってくる

どうしようもない状況 寝れないし歩けない

下山?まだ3400mなのにこの状況?こっから2000mもあがれんの?


高山病の予防法その3「牛歩よりゆっくり、時間をかけて高度をあげていくこと」


思えば高度差600mの坂もそんなこと意識せずに登ってきた

一気に高度を上げてお昼寝するなんて今考えればもってのほか

夜、死にそうになりつつベッドに潜り込むも

夜中以降 エンドレスに続く頭痛の為一睡もできず

ほんと降りないとヤバいかも 多分高所向いてない 僕の体

色々な思考が頭を巡りつつ迎えた朝も状況は変わらず

ほんまに死ぬかも

この高度で死んだら恥ずかしいな

続く



エベレストへ 前編
カトマンズに到着したのは5/17の早朝

標高1400メートルの盆地にあるカトマンズは朝夕とても涼しく

東南アジア、インドに比べるととてもすごしやすい街です

到着してすぐ、トレッキングの起点となるルクラ行きのフライトチケットを買い

ツーリストオフィスにトレッキングの許可証を発行してもらいます

フライトは二人で往復55000円、許可証は12000円程度です

ジリという村までバスで行き、そこから山道を歩いてルクラまで行く方法もありますが

雨期の始まりにびくびくしていた僕らにとってそんな時間はないということで却下

ただ、今回はガイドもポーターも雇わずに、二人だけのトレッキング

果たしてどうなることやら、、、と多少の不安もありつつ。。。





空港行きタクシーのおっちゃん


飛行機は約20人乗り 今まで乗った中では一番小さな飛行機

ルクラ行きは全てこのサイズの飛行機になります




左側の席だと7、8000m級の山々が連なるマウンテンビューを堪能できるらしいのですが

生憎この日は雲が多く、景色なんてまったく見えず

雲の中を突っ切っていくので山にぶつからないか逆にハラハラしました








事故の噂もたまに聞く、難しい路線ではあるらしいのですが、

なんとか無事に高度2800mのルクラへ到着

トレッキング前に一息つこうと立ち寄ったのはスターバックス ルクラ支店








偽物?本物?世界で一番高地にあるスタバ






でも店内はスタバっぽさはまるでなく

店員さんもコロンビア人のようなネパール人

スタバのロゴがなければその辺のカフェとまったく変わりません

一息ついて11時半よりトレッキング開始

本日はチュモアという集落を目指します








たくさんの子供達や牛達と戯れながら、ゆっくりゆっくりチュモアへ

初日は天気も悪く、曇り空の下でのトレッキングになりましたが

明日はきっと晴れるだろうと 希望を抱いて早目の就寝。。。

しかしなんかもう頭痛い気が、、、